ハコミセラピー 一日体験
ハコミ・セラピーの一日体験に行ってきました。
ハコミセラピーとは、アメリカのセラピストである、ロン・クルツによって1980年代に確立された心理療法の一つです。
「ハコミ」という言葉は、アメリカの先住民族、ホピ族の言葉で、
「あなたは何者ですか?」
という意味だそうです。
仏教思想、タオイズム(老荘思想)の流れをくむセラピーです。
ハコミセラピーの一番の特徴とされるのが、「マインドフルネス」。
仏教的瞑想法です。
仏教の瞑想で、止観【しかん】というものがあります。
「止」は、思考を止めるの止でしょうか? 心の動揺を静め、ひたすら無の境地を目指すもの。
「観」は、心に生じる雑念を追い払ったりはしないで、それを観察する。
マインドフルネスは、この止観でいうと、観の方の瞑想に近いものです。
瞑想、というとひたすら邪念を払い、無になるようなイメージが強いのですが、
マインドフルネスは、この邪念、雑念を払いません。
自分の中で、まさに「今」起こっていることに注意深く意識を向け、観察していきます。
まるで身体から発せられる無意識のかけらをひとつひとつ丁寧に拾いあげて、その声を聞こうとするような・・・優しくて、穏やかな心地よい時間が流れます。
言葉や思いが意識だとしたら、無意識はその奥で、そっと息をひそめているのです。
その無意識が語りかけてくるのを、ただ静かに見守ります。
今という瞬間に、意識を集中させながら、身体はリラックスした状態。
ある一点では集中しているけれど、緊張がない状態。
マインドフルネスの瞑想の状態です。
これは、意識の声を小さくすることによって、無意識を見えやすくする、というアプローチなのだそうです。
ユングやフロイトなど、そのほかの体験的なセラピーが、いかにして無意識の声を意識のレベルまで大きくさせるか、ということに重きをおいている点に対して、この意識の声を小さくしていくことで、無意識の声を聞こうとする、というやり方は、正反対でありながら、無意識の声を聞くという目的は同じです。
アプローチの違いは感じ方の違い、だと教わりました。
そして、感じ方の違いは文化の違い。
西洋人に比べて、表現や自己主張が苦手な私たち日本人にとっては、無意識の声を大きく表現していくよりも、このように意識の声を小さくして無意識の声を聞こうとする内省的なアプローチの方が馴染みやすく、心地良いもののように思いました。
私自身もはじめて体験してみましたが、自分でも思いもしないイメージや感情が湧いてきて、驚きました。
その意味は、必ずしもその場で理解する必要はないのだそうです。
「時間をかけて、これからその意味がきっと分かってくる、ギフトだよ」
と言われたので、とても楽しみですね。
このようなマインドフルネスが基盤になっているハコミセラピー・・・
今回は、デモ・セッションという一日講座でした。
講師の先生がセラピスト、講座参加者がクライアントになって、実際のセラピーがはじまります。
息をひそめて見守る、私たちその他大勢(笑)
カウンセリングや、コンサルテーションの練習の場はあっても、実際のセッションを真近で見たのははじめてです。
空気感、間の取り方、言葉の選び方・・・ なかなか文章や、言葉では伝わりにくいもの、言い表せないもの。でも、とてもとても大事なものを学ばせていただきました。
特に印象深く、これぞセラピーの真髄かと思われたのが、「愛」と「信頼」。
このふたつは、本当に神だ・・・と私もプチ興奮と感動で涙があふれ・・・(笑)
クライアントへの愛、クライアントへの信頼。
私はあなたの魂の叡智を信頼しています。
そんな愛の在り方を目に見える形で体感できたセッション。
私も、こんな愛にあふれた美しいセッションが出来るようになりたいなぁ、
そんな思いに溢れた一日でした。